ヒトメタニューモウイルス(hMPV)
Q. どんなウイルスですか?

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は、RSウイルスと似た呼吸器症状(せき、鼻水など)を引き起こすウイルスです。
ウイルス性呼吸器感染症の原因として、小児の5〜15%、成人の2〜4%といわれています。
Q. だれでも感染しますか?
A. だれでも感染します。
表は、各年齢の抗体価です、
ヒトメタニューモウイルスにかかったことがあるひとは、体の中に抗体ができます。
これからわかることは、
お母さんからのお腹の中で受け継いだ抗体の影響で、
生後6か月まで60%の赤ちゃんは守られていますが
2歳までに約30%、5歳までに約75%、10歳までには、ほぼ100%が一度は感染するといわれます。
しかし、ヒトメタニューモウイルスは感染する力が強いウイルスのひとつなので、

Q. 何度もかかりますか?
A. 再感染する(またかかる)こともあります。
1回の感染では、十分な抗体がえられず、
小児期には、再感染をくりかえすことがいわれています。
Q. どんな症状ですか?
潜伏期間は4〜5日で、
鼻水や咳(せき)とともに38.5℃以上の高熱が出ることもあります。
嘔吐や下痢も7〜8%近くのひとにみられ、最初は、急性胃腸炎と診断されることもあります。
また、高熱と頭痛がみられることもあり、発熱が平均して4-5日続くこともあるため、
インフルエンザと間違われることもあります。
喘鳴(ぜーぜー)する症状も60%近くの方にみられ、5日前後続くこともあります。
気管支喘息の方は、喘息発作が起こる原因にもなります。
合併症として
喘息性気管支炎が、36.8%
中耳炎が、15.8%
肺炎が、14%
熱性けいれんが、3.5%に発症したという報告があります。
(Ebihara T et al. J Clin Microbiol 2004 より)
Q. どんな方が重症化しますか?
・先天性心疾患、肺疾患(うまれつき心臓や肺に病気があるお子さん)
・神経・筋疾患、免疫不全の基礎疾患または骨髄移植を受けた方
・気管支喘息
・高齢者
Q. . どのようにして感染しますか?
Q. . 診断は?
6歳未満までが保険適応です。
検査方法は、インフルエンザのときと同じように、専用の綿棒で、
鼻の奥から鼻水採取して検査します。検査時間は約10分程度です。
Q. . 治療法は?
A. 特効薬はありません。ワクチンもありません。
治療は、年齢と症状に応じた対症療法です。
Q. . 予防法は?
Q. いつから幼稚園、保育園は通園できますか?
A. 明確な基準はありません。
「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症」では、
「咳などの症状が安定した後、全身状態のよい者は登校(園)可能であるが、手洗いを励行する。」と記載されています。
発熱したお子さんは、解熱するとウイルスの排泄はほぼなくなるといわれますが、
咳が強い場合には、登園のタイミングをかかりつけ医と相談しましょう。